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実話じゃなかったのね『FARGO/ファーゴ』

ファーゴ

今では昔になりますが、1996年公開の『FARGO/ファーゴ』は反則的な面白さがある作品です。ジャンルはサスペンス、でも犯人を捜すタイプではなく、狂言誘拐をめぐる人間模様を描くタイプ。

ドラマ化されてシリーズになっている『FARGO/ファーゴ』の方は次回以降紹介するとして、まずはオリジナルの映画版『FARGO/ファーゴ』をチェックしておきましょう。

何の予習もせずに見た人は、こういう現実の事件があったんだと思ってしまいますが、この映画は完全なるフィクションです。では、実話に基づくってテロップが出てるけど、あれは何なのってことが問題になりますが、本作品を書き上げるのに参考にした事件(しかも複数)がかるので、ウソはついてないよってことです。獲得たるコーエン兄弟の洒落たブラックユーモアです。

本作品は、 U-NEXT Amazon プライムビデオ で視聴できます。

あらすじ

ジェリーは自動車セールスマン。妻と息子と幸せに暮らす良き夫にみえるが、多額の借金を背負い、生活が破綻の一歩手前という、ヤバい奴です。自分の妻の実家が大金持ちであることが頭によぎったジェリーは、妻を偽装誘拐し彼女の父から身代金をだまし取ろうと企てた。

 ジェリーは、トンデモな計画を実行するため、綿密な計画を立てて、2人の奇妙な誘拐犯を雇った。計画では単なる身代金目的の誘拐のはずであったが、誘拐犯はエスカレートしてしまい、ついに殺人まで犯してしまった。

これら一連の事件を担当することになった、出産間近の女性警察署長マージ。彼女はユーモラスでありながらも鋭い観察力を備えていて、軽く扱えません。捜査を進めるにつ、マージ署長は次第にジェリーに不信感を抱くようになった。

みどころ

本作は1996年にジョエル・コーエンとイーサン・コーエン兄弟によって制作され、公開されたサスペンス映画です。基本は暴力的な内容ですが、ところどころあるブラックコメディの要素がたまりません。

その最たるのは、「偽装誘拐するつもりなのに、なぜ殺してしまうの?」というところです。ありそうで、「いや、ないわ」ってスクリーンに向かって突っ込んでしまうようなところを、冒頭の以下のナレーションもやみつきになります(ドラマシリーズでも同様の手法が使われています)。

ファーゴ

実際の事件は1987年ミネソタ州で起こった。生存者の希望で人名は変えてあるが、死者への敬意を込め、その他は忠実に描いた

って、実話に基づくって伏線を使って視聴者のツッコミ防止策をとっているところ、いいですね。

物語は、ノースダコタ州ではなくて、寒々としたミネソタ州の田舎町を舞台に展開します。ファーゴが位置するノースダコタ州ではなく、ミネソタ州です。この点も、(その周辺に住む)米国人には常識かもしれませんが、アジア人には米国のどこらあたり化がわかりにくいですね。

小さな事件がズラズラ大げさになっていくのが、何とも皮肉でユーモアです。

「ファーゴ」の見どころの一つは、コーエン兄弟独特のブラックユーモア独特のキャラクター描写です。登場人物たちは、個性的でありながらも奇妙なほどリアルなキャラクターとして描かれています。また、北部の風景や独特の方言が物語の舞台と雰囲気を際立たせているので味わいましょう。

マージ署長は、もうすぐ子供を産む身重なのに、殺人事件を担当するという、ユーモラスというかブラックな展開に巻き込まれます。でも、マージは嫌がらずにやり遂げます。このマージ署長は、今後ハリウッド映画界で大好きなキャラベスト10に入るほどの人気キャラになります。

本作は犯罪と人間の善悪に関する深いテーマを掘り下げており、笑いと緊張感が絶妙に組み合わされています。ストーリーは予測不可能でありながらも、最後まで観客を引き込んで離しません。

映像としては雪の白さと血の赤い色のコントラストが上手いですね。

緊迫感、独特のキャラクター、ブラックユーモア、そして風変わりなストーリーラインに惹かれる方には、昔の作品だとナメずに、味わいきってください。

ファーゴ?ミネソタでのお話だよ!

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ブラックユーモア犯罪コメディ?

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キャスト

フランシス・マクドーマンド(女性署長マージ)

フランシス・マクドーマンド

本作で私はフランシス・マクドーマンドを初めて知りましたが、名女優で『FARGO/ファーゴ』の本役で主演女優賞を獲得しています。臨月の身を押して殺人事件の捜査に乗り出し、露骨なミネソタ訛りを操る演技力が評価されたわけですね。彼女はその後の作品、特に『スリー・ビルボード』などの傑作にも恵まれています。それと、たしか、コーエン兄弟のどちらかの夫人だったと思います。

ウィリアム・H・メイシー(自動車セールスマンのジェリー)

ウィリアム・H・メイシー

自動車セールスマンのジェローム・“ジェリー”・ラングガードを演じるのはウィリアム・H・メイシー。

無責任で小ズルい子悪党が、ちっょと羽目を外した悪道になり外道化する演技は、ブラック・ユーモアそのものですね。「嘘つきは泥棒の始まり」って言いますが、「狂言の道は人殺しに通ず」って感じで、現実化させたような個性を演じています。

このジェリーみたいなタイプ、実社会にはたくさんいますよね。いわゆるクズなんでしょうけど、実社会では殺人まで至らないので、小ズルい奴という感じで評価どまりのタイプです。能天気で、しかも能無しで、計画もスカスカの小犯罪者って、こんな寒い場所にいるのかなってツッコミはごもっともです(寒い地域の罪人は頭の切れる人が多い気がするけど)。

スティーヴ・ブシェミ(カール・ショウォルター)

スティーヴ・ブシェミ

タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』で着目された、元消防士だったというスティーヴ・ブシェミ、味のある役を演じるのが彼の持ち味ですね。ブシェミファンは必見ですね。

小者犯罪者のカールは気が弱さと強さを併せ持っていて、実際によくいるタイプの人間を、犯罪専門のキャラに仕立てたようなヤロウです。

ジェリーの犯罪ほう助をする役なのですが、犯罪者としては小者の雑い仕事をします。ブシュミは本作でも存在感は漂わせています。ジェリーのクズっぷりを誇張して視聴者に伝えるためにも、本役はぜったい必要ですね。

トリビア

ファーゴ

ファーゴ(Fargo)は米国ノースダコタ州東部で最大の都市。大規模な農業地帯で陽明で、小麦や畜産物の集散地として発展している街。コーエン監督によると、「ファーゴの方が駆り立てる感じがする響きだったから」と、映画のタイトルを決定した理由を述べている。

ファーゴ

本作品は、「This is a true story.」のような字幕がつくので、実話として視聴してしまいますが、実はそうではありません。これはコーエン兄弟の演出で、映画のストーリーはフィクションです。

また当時の日本版のカタログにも「アメリカの田舎町で起こった本当の話」って宣伝されていました。本当の話ではなく、創作でした。

予備知識(英語の勉強)

"You know, I've been listening to your fucking bullshit all week. Are we square?"”
「あのな、テメエの戯言を一週間中ずっと聞いてやったんだぜ。それで貸し借りなしだろ?」

チンピラ的な雰囲気が漂う表現ですが、fucking bullshit (まったく無価値な話)の部分は他の単語に置き換えて使いましょう。このまま使うと、人間関係に支障をきたします。

"Are we square?" のパートは「チャラでいいな?」みたいなニュアンスですが、日常的に使えます。

結末?

実話じゃないので、エンディングは脚本次第です。実話だと思って最後まで見た方がずっと楽しめる映画です。

しかし、まったくのフィクションではなくて、実際の事件を複数参考にして、本ストーリーを作り上げて言ことは事実です。だから、この部分のツッコミは無しです。

本作品は、 U-NEXT Amazon プライムビデオ で視聴できます。

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