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Netflix アクション

[Netflix]過激なカーチェイス満載 ロストブレット2

ロストブレット2

いきなりパート2がおすすめにあがったので、思わず見続けてしまった Netflix オリジナル。感想を言うと、楽しめました。予想外で、不意打ちを食らった映画でした。カーチェイスそのもがハリウッドとは異質で、早送りせずしっかり楽しみました。

これから視る方は、パート1から順番に鑑賞した方がいいです。私の場合は、ザッピング中にハマってしまった類ですので、やむを得ず、パート2→パート1→パート2と視てしまいました。

この作品は、Netflix 契約している方限定だと思いますが、アタリだと思います。ハリウッド映画の脳内占有率が8割を超えてしまうと、たまに見るヨーロッパ映画やオーストラリア映画が新鮮に感じることがあります。特に、フランス映画は中身が濃いものが多いため、見終わった後のメンタル・ダメージなどを考慮すると、「今日は止めておこう、明日にしよう、もう少し IQ 低めの作品お願い」みたいになることが多いです。

ロストブレットは、ハリウッド映画に比べて大人向けになっているといいますか、飽きさせない点が多いです。ちょっと、感じた点をピックアップします。

  • 俳優が見慣れない・普通の男前・美女だが演技力を感じる
  • アクションシーンの演出が独特
  • 90分にまとめていて、ダラダラしない
  • 明るい感じのウケを狙った映画ではない

簡単なあらすじ

前作をすっ飛ばしてのパート2の解説になるので、いささか説明がわかりにくくなるかもですが、そういう時はパート1を見直してみると、新たな発見があるかもしれません。

本作品は、フランスの麻薬対策班内部での争いがコアになっています。どちらも正義とかではなくて、片方は汚職組です。パート1では、リノ(主人公)を早期釈放させ、しかも麻薬対策班に抜擢した恩人のシャラス、整備屋の弟分カンタンを元麻薬対策班のアレスキとその一味が殺害してしまいます。アレスキは押収した麻薬を横流しして、私腹を肥やしていたというわけです。フランスの刑事ものによくある、組織の内部腐敗というやつです。

アレスキはとんでも野郎で、パート1で汚職がバレ、追い詰められるとため込んだ現ナマをバッグに詰めて、共犯者のマルコはともかく、女房と子供を置き去りにトンズラしてしまいます。アレスキらと結託した麻薬横流しの共犯者マルコは、リノにボコられて手錠をはめられ放置され、ほぼほぼ麻締に逮捕された感じで前作は終わります。

そして、今回のパート2に話が移ります。どうやら、アレスキだけでなく、もっと大物が絡んでいるようです。また、逮捕したと思われた、前作の共犯者のマルコは逃亡したということが発覚します。このマルコをめぐって、パート2のストーリーは展開します。

リノはトンズラしたアレスキが妻と子供に連絡を取りにくるだろうと、アレスキの妻ステラストーキングします。バレバレの張り込みというか、ヤバいことしている時に、夜中に、アレスキの息のかかった手下が家にやってきます。ステラを始末しに家に押し入ってきたとき、リノが完璧に彼女を助けてしまいます。

その助け方が警察関係者としては、やりすぎ感満載で、数人の男が押し入った家に、武器も持たずに単独で乗り込みます。まずは、巨漢の男を頭から門扉の網に突き刺し、家の中では、押し入り魔の武器を取り上げ、その片腕をバキバキに折ってしまいます。強すぎですね。でも、違和感を感じなかったところがすごい演出ですね。やりすぎですけど。

そのいきさつのおかけで、リノとアレスキの妻ステラ恋仲になります。その後、実は共犯者マルコは、警察にかくまわれていたという事実を、タレコミ電話からリノは知ることになります。

リノは、タレコミ情報をもとに、マルコの身柄を確保することに成功するのですが、証人を消してしまいたい側(アレスキと、それに繋がる黒幕たち)と証言者としてかくまっておきたい側とで、マルコの身柄をめぐって、バトルが始まります。リノは自分の弟分を殺したマルコは許せないと思う反面、麻薬取締局勤めであるがゆえ、殺すわけにもいかずという気持ちとの間で揺れ動くという感じです。

本作では、裏の大物は明らかにされず、パート3に持ち越しです。つまり、ストーリーはまだ続くということですね。

ストーリー以外の見どころ

ロストブレット2改造車

本作品はリック・ベッソン監督の「TAXI」みたいな車改造ネタがあります。今回は改造車のフロントバンパー部に取り付けた、スコップ的な挿し板に電極を通したものです(1、2)。

敵の車にスリップ・ストリーム(3)し、挿し板を敵車体の裏に滑り込ませます(4)。そしてロックし(5)、その板に高電圧をかける(6)と、敵車の電気系統が破壊され、その火花がガソリンに引火し(7)、クロマがロケット花火のように空中に舞い上がる(8)という仕組みです。

ありえんと思うシステムですが、面白すぎて、演出としても楽しめます。理屈はともかく、エレクトロニクス先進国のフランスらしい発想ですね。

私は大昔の、実写版のヒーローモノを視ている感じで楽しめました。

出演者

いい味出てるアルバン・ルノワール

アルバン・ルノワール

主役の天才整備士リノを演じるのはフランス人役者のアルバン・ルノワール。役柄が男前である必要がないのかもと思いましたが、よく見ると男前なのかもしれません。アクションスターを目指して俳優の道を歩んだ人らしく、スタントマンでもあり脚本も手掛けるそうです。ロストブレットでは、喧嘩慣れした硬派な男?を演じるのですが、味のある喧嘩シーンは絶品です。殴るシーンも殴られるシーンも、見ごたえがありました。

本作で演じるリノは、本職は車の改造屋で、天才的技術で改造した車で、宝石店のコンクリート壁に突っ込み逮捕されます。そんな強固な改造ができるリノをフランス警察の麻薬対策班は整備士として抜擢します。車の改造は天才で、喧嘩が異様に強いリノ。役柄的には、思いつめたような性格で、付き合いにくい感じを受けてしまいますが、本心はやさしそうです。

その優しさは、本作品のラストで感じることができます。頭のイカレた阿呆ではないことがわかって、観客としては一安心というところです。

歌手じゃなかったっけ?ステフィ・セルマ

ステフィ・セルマ

ステフィ・セルマって歌手じゃなかったっけと思いましたが、本作品ではしっかりとした女優ですね。カッコのいい女性捜査官を演じています。フランスの海外県、カリブ海のマルティニーク出身のはずで、日本人的には南米的なイメージがあります。でもフランスです。背も高く、脚も長くて肉体的にもボリュームがある彼女は、アクションさせるとしっかりハマります。今回はリノの元恋人かつ同僚ジュリアを演じています。

パート1では、上のリノに首四の字固めをかけるシーンがあったのですが、あの脚とお尻の筋肉量でかかってこられたら、普通に窒息させられるなと恐怖しました。ヤワい男は瞬殺されると思います。女優としてもいい味出しています。今回のアクション女優(主にカーチェイス)としてもいい感じでした。弱さを感じさせないというか、ヤバい男と対等にやりあっているところが見どころです。パート2のラストあたりは、少し女っぽく演じていたので、ここは観客の好みがわかれるところです。

相変わらずいい感じ、パスカル・アルビロ

パスカル・アルビロ

パリ政治学院卒のパスカル・アルビロは、頭も良いフランス女優です。ニコール・キッドマンとメグ・ライアンを足して割ったような感じの雰囲気の女優です。多分年齢もよく似た感じです。今回はジュリア(ステフィ・セルマ)の上司役モスとして出演しています。ハバアと思う人も多いのでしょうけれど、いい歳だと思いますけど老けませんね。さすが女優ですね。

ババぁと思った方はパート1を見ていただくと、印象が変わるかもしれません。

今回の目玉の男前、ディエゴ・マーティン

ディエゴ・マルテーン

フランスとスペインの国境を警備する警官アルバロを演じるのが、マドリッド出身のスペイン人俳優、ディエゴ・マーティンです。スペインではテレビ俳優としても有名です。ヒュー・ジャックマンみたいな感じで、何をしても絵になるような雰囲気ですね。彼はスペインの全国紙に寄稿していたジャーナリスト、フランシスコ・ハビエル・マーティン・アブリルの孫にあたるそうです。そのフランシスコの父は、作家兼翻訳者のアルベルト・マーティン・バロと、ディエゴも法学部中退らしいので、文筆家の家系のようですね。本作品では、スペイン警察の正義感ある警官を演じていて、おそらく一番見栄えがする感じでした。主役ではないのでアクションなどはありませんが、観客の心をしっかりつかんでいたと思います。

[余談]イケてるカーチェイス

前作と合わせて今作品も、ドイツ車嫌いフランス車大好き差別演出が満載です。本作品で登場するメルセデス・ベンツアウディは、軒並み炎上し、空中に舞い上がってから路面に立てき落され、タイヤに繋がるサスペンション部分が、漫画で描かれるおもちゃのように、ボヨーンと伸びて、タイヤは外れます。

Lost Bullet 2 Audi A4 Avant

さすがに、メルセデス・ベンツやアウディがスクラップになるとしても、あのような壊れ方はしないと思うのですが、演出にしてもやりすぎ感満載です。でも、これがクセになるくらい気持ちいいのも事実。多分、フランス人しかこういた演出はやりません。

一方で、フランス車のルノープジョーシトロエンはいい扱いです。ルノー車は確かにポテンシャル高く、旧フランス植民地に行くと、トヨタを含む「日本車なんてくそくらえ、車と言ったらルノーだよ、シトロエンだろ」って人たちがわんさかいます。

ルノー メガーヌ RS4

この映画を視ていると、ルノープジョーがイケてる車にみえて仕方がないのが、上手いですね。ジュリアがぶっ飛ばすルノー車は、2018年モノのメガーヌ RS4 です。映像では、マツダのデミオを改造したらあんな感じになりそうと思った人も多いと思いますが、微妙です。

2018 Renault Mégane RS 4

メガーヌは 1.8 リッター、ターボチャージャー付、筒内直接噴射の直列4気筒DOHC16バルブでサイズのわりにパワフルです。日本価格は 600 万円前後だったと思います。改造するとその倍はかかりますので、素直にマツダを買って改造する方が楽しめそうですね。

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