人によってはつまらない映画扱いされる娯楽映画『スパイ・レジェンド』です。私は面白いと思います。何も考えずにアクションを鑑賞できて、官能シーンやグロいシーンもなく、それでも家族団らんで他のしれる程度にまとまっています。
他の映画サイトでは、五段階評価で3.5あたりが平均ですが、私は4ぐらいにしたい作品で、皆の軒並み評価が低いのが嫌な感じですが、私は何度も楽しんでいます。
あらすじ
スイスで静かな引退生活を楽しんでいるのは、かつて伝説のCIAエージェント、ピーター・デヴェロー。
ある日、突如かつての名優がデヴェローのもとを訪ねてくる。「諜報員ナタリアがロシアで活動している、彼女を情報とともに回収して国外に逃がしてほしい」
デヴェローは彼女を回収しに向かうが、目の前で射殺されてしまう。彼女を殺したのは、CIA時代のかつての後輩、メイソンだった。そして、同時にこの作戦には裏があることを汁。
自ら育てた現役のスパイ、引退した元諜報員とかつての教え子との師弟対決、緊迫の攻防を繰り広げ、事件の全貌を暴こうとするデヴェロー。
事件の裏にはロシア大統領選をめぐる国際的陰謀があったことにたどり着いた。
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禁忌事項
本作を楽しむためには、以下の点は目をつむってください。
- ピアース・ブロスナンを引退したジェームズ・ボンドとみなさないこと
- オルガ・キュリレンコがボンドガールを演じたことは忘れること
上の注意点あたりを守ったうえで鑑賞すると、楽しめます。見終わってから「007シリーズのスピン・アウトかよ?」みたいなボヤきは無しです。楽しんだもの勝ちです。
みどころ
先輩工作員が後輩に指導することで、後輩が成長していく話にしたかったのかなと思いきや、後輩が先輩の無茶ぶりに不信感を持ってしまう。
でも、そんな後輩に冷たくあたりつつも、やっぱり可愛い後輩っと心のどこかで思っているいい先輩のお話ととらえても楽しめます。
私の場合は、ほどほどなアクションと、グロくないスパイの殺傷シーンなどは普通に楽しめました。
キャスト
ピアース・ブロスナン(元CIAエージェント、ピーター・デヴェロー役)
かつては凄腕のCIA工作員だったピーター・デヴェローを演じるのは、5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンです。「ザ・ノベンバー・マン」は現役時代のコードネームです。
ブロスナンについては、正直申し上げてダブル・オー・セブン系の役柄しかまともに視れません。情けない男の役や、政治家などの役もできるのは知っていますが、ジェームス・ボンドやくがはまりすぎて、視聴者はどんなに瞑想した後に鑑賞しても、ブロスナンがボンドにみえてきます。
本作では、多くの視聴者はカッコイイ引退オヤジとして、デヴェローを視るとは思いますが、それでいいと思います。
本作品の前では脚本を兼務した『世界最速のインディアン The World's Fastest Indian(2005)』や実際に起こった銀行強盗事件をモデルにした『バンク・ジョブ The Bank Job(2008)』、キューバ危機の真相に迫るサスペンス・ドラマ『13デイズ(2000)』が有名ですね。
トリビア
本作は、ビル・グレンジャーの小説で、チェチェン紛争のCIAの陰謀をテーマにした『There Are No Spies』をベースにしている。
ビル・グレンジャーはシカゴの元新聞記者。
ピアース・ブロスナンは、ジェームス・ボンドの役柄が染みつくのが嫌だということで、007を降板しましたが、次のボンド役ダニエル・クレイグが良すぎたので、もう一度ボンドっぽい役柄をやりたかったという噂がある。
その理由は、スパイ・アクションモノといっていい、上記の小説の映画化権をブロスナンが手に入れていたからです。さらに、ダニエル・クレイグ主演の『慰めの報酬』のボンドガール、オルガ・キュリレンコを、わざわざ本作の相手役にキャスティングしている点も意味深です。役真偽は不明ですが、ブロスナンはやっぱり、こういう役がはまりますね。
本作は楽しんだもの勝ち
本作はクールにもかかわらず、師弟対決を加えた人間臭さもまぜた、リアルっぽい伝説のスパイを演出しています。
シーンの流血は多いですが、グロくはありません。残虐性も極小です。終盤でアリス(オルガ)が奏でるサティの「グノシエンヌ第3番」は、場面として格調高め、伝説の諜報員で愛するものを奪われた、デヴェローの内面を映しているように見えます。
静かさの中に哀愁が漂い演出も、味わったもの勝ちですよ。
本作はAmazon プライムやU-NEXTで視聴できます。
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